Windows系のネットワークトラブルシューティング時に欠かせないコマンドがああります。それが[netコマンド]です。

ここでは実際に、netコマンドで何ができるのかを解説していくとともに、コマンドの機能にまとめておきます。

決してコマンド自体を暗記する必要はありません。目的に応じて、サブコマンドを使いこなせるように、どのような機能があるのかを理解しておいて下さい。

目次

netコマンドとは

netコマンドとはWindowsネットワークにおいて、ネットワーク関連の設定を行ったり、現在のステータスを表示させたりするために使われるコマンドです。

現在のWindows環境では、コントロールパネルなどのGUIから大抵のことは操作できますが、netコマンドを上手に使いこなすことで作業効率が大幅に上がったり、時間の短縮に繋がりますので、ぜひマスターしたいところです。

多くのサブコマンドが存在する

netコマンドには多くのサブコマンドが存在し、実際に利用するには、サブコマンドとそれに対するパラメータ等を指定する必要があります。

netコマンド単体で実行した場合は、以下のような実行結果が返ってきます。

C:\WINDOWS\system32>net
このコマンドの構文は次のとおりです:

NET
    [ ACCOUNTS | COMPUTER | CONFIG | CONTINUE | FILE | GROUP | HELP |
      HELPMSG | LOCALGROUP | PAUSE | SESSION | SHARE | START |
      STATISTICS | STOP | TIME | USE | USER | VIEW ]

サブコマンドの意味を表にまとめておきました。丸暗記する必要はありませんが、どういった事ができるのかを、まずは覚えておきましょう。

ファイル/プリンタ/共有関連

  • net use: 共有リソースの使用/解除。net shareされたネットワーク上のリソースをローカルで使用する場合に使う
  • net share:共有リソースの公開/公開停止。ローカルのリソースを公開して、外部のマシンでnet useできるようにする
  • net view:リソースが公開されているマシンの列挙や、特定のマシンが公開している共有リソースの一覧を調べる
  • net file:使用されているファイルの一覧の表示/強制終了。net shareで公開したリソースのうち、どのようなファイルが実際に外部マシンで利用されているかを表示する
  • net session:ローカルのマシンに接続しているクライアントの一覧情報など表示/強制終
  • net print:共有プリンタの情報や印刷キューの情報の表示/設定

ユーザー/グループ/コンピュータ・アカウント関連

  • net user:ローカル・コンピュータもしくはドメイン・コントローラ上に登録されているユーザー・アカウントに関する情報の表示/設定
  • net accounts:ユーザー・アカウントに対するログオンやパスワードの要件の表示/設定
  • net group:ローカル・コンピュータもしくはドメイン・コントローラ上に登録されているグループ・アカウントに関する情報の表示/設定
  • net localgroup:ローカル・グループ・アカウントに関する情報の表示/設定
  • net computer:コンピュータ・アカウントのドメインへの登録/解除

サービス関連

  • net start:サービスの表示/開始
  • net stop:サービスの停止
  • net pause:サービスの一時停止
  • net continue:サービスの再開

コンピュータ名/メッセージ関連

  • net name:NetBIOS名の表示/追加。新しく追加された名前はnet sendコマンドの宛先として利用できる
  • net send:指定されたユーザーやコンピュータに対するメッセージの送信

コンフィグレーション/統計情報

  • net config:サーバ・サービス(リソースの公開サービス)やワークステーション・サービス(リソースの利用サービス)に関する情報の表示/設定
  • net statistics:ネットワーク・プロトコルやリソースの公開/共有サービスに対する統計情報の表示
  • net time:時間情報の表示や外部との同期

net help、/helpでもう少し詳しい情報を

[net help]、[net コマンド /help]でより詳細な情報を得られます。

C:\WINDOWS\system32>net help
このコマンドの構文は次のとおりです:

NET HELP
コマンド
     または
NET コマンド /HELP

  使用可能なコマンドは次のとおりです。

  NET ACCOUNTS             NET HELPMSG              NET STATISTICS
  NET COMPUTER             NET LOCALGROUP           NET STOP
  NET CONFIG               NET PAUSE                NET TIME
  NET CONTINUE             NET SESSION              NET USE
  NET FILE                 NET SHARE                NET USER
  NET GROUP                NET START                NET VIEW
  NET HELP

  NET HELP NAMES は、NET HELP 構文行のさまざまな種類の名前について説明します。
  NET HELP SERVICES は、開始できるサービスを一覧表示します。
  NET HELP SYNTAX は、NET HELP 構文行の読み方を説明します。
  「NET HELP コマンド | MORE」と入力すると、ヘルプが一度に 1 画面ずつ表示
  されます。

このように使用可能なコマンドが返ってきますね。

さらに深く掘り下げて、コマンドの詳細をみてみましょう。

C:\WINDOWS\system32>net accounts /help
このコマンドの構文は次のとおりです:

NET ACCOUNTS
[/FORCELOGOFF:{分数 | NO}] [/MINPWLEN:長さ]
              [/MAXPWAGE:{日数 | UNLIMITED}] [/MINPWAGE:日数]
              [/UNIQUEPW:回数] [/DOMAIN]

NET ACCOUNTS は、ユーザー アカウント データベースを更新し、すべてのアカウント
のパスワードおよびログオン要件を変更します。オプションなしで使用した場合は、
パスワード、ログオン制限、およびドメイン情報の現在の設定が表示されます。

NET ACCOUNTS で使用したオプションを有効にするには、2 つの条件を満たしている
必要があります。

-  パスワードおよびログオン要件は、ユーザー アカウントがセットアップ済みの
   場合にのみ有効です (セットアップにはユーザー マネージャーまたは NET USER
   コマンドを使用してください)。

-  ログオンの確認を行う、ドメイン内のすべてのサーバーで NetLogon サービスが
   実行されている必要があります。NetLogon は、Windows を起動すると自動的に
   開始されます。

/FORCELOGOFF:{分数 | NO}      アカウントの有効期限が切れた場合や、有効な
                              ログオン時間が過ぎた場合に、ユーザーが強制的に
                              ログオフさせられるまでの分数を設定します。
                              既定値の NO の場合は、強制的なログオフは
                              されません。
/MINPWLEN:長さ                パスワードの最小文字数を設定します。
                              範囲は 0 から 14 文字です。既定値は 6 文字です。
/MAXPWAGE:{日数 | UNLIMITED}  パスワードが有効な最大日数を設定します。
                              UNLIMITED を指定した場合は、期限はありません。
                              /MAXPWAGE は /MINPWAGE より小さい値にはできま
                              せん。範囲は 1 から 999 です。既定値にするには、
                              値を変更せずにそのままにします。
/MINPWAGE:日数                ユーザーがパスワードを変更できるようになるまで
                              の最小日数を設定します。0 を指定した場合は、
                              期間は設定されません。範囲は 0 から 999 です。
                              既定値は 0 日です。/MINPWAGE は /MAXPWAGE より
                              大きい値にはできません。
/UNIQUEPW:回数                指定したパスワード変更回数内で、同じパスワードを
                              使用できないようにします。最大値は 24 です。
/DOMAIN                       現在のドメインのドメイン コントローラーに対して
                              操作を実行します。指定しない場合、操作は
                              ローカル コンピューターに対して実行されます。


「NET HELP コマンド | MORE」と入力すると、ヘルプが一度に 1 画面ずつ表示され
ます。

こんな感じで、helpコマンドや/helpを上手に活用して分からない場合は確認しながら進めていくこともできます。