共有フォルダでシャドウ・コピー機能を利用すると、ユーザーが自分で削除されたファイルを復活させたり、過去のバージョンを取り出したりできます。

復元方法は比較的簡単なため「ファイルサーバのファイルを消してしまったから昨日のバックアップからデータを取得してほしい」 といった要望も減ります。

サーバ管理者にとっては非常にありがたい話です。

この機能はWindowsServer2003から追加されているものですが、意外にご存知ない方も多いようです。また、Windowsの標準機能として備わっているので、PC端末のデータ管理にも利活用できますので覚えておいて下さい。

目次

シャドウコピーの設定方法

設定方法は以下の通りです。1~8の手順に沿って、設定をしてみて下さい。

  1. Windows Serverで構築したファイルサーバに管理者権限でログインします。
  2. 「Windowsマーク」を右クリックし「コンピューターの管理」をクリックします。
  3. 「共有フォルダ」を右クリックし「すべてのタスク」-「シャドウコピーの構成」をクリックします。
  4. ファイルサーバとして使用している共有フォルダが存在する、ドライブを選択し「設定」をクリックします。 
  5. 「最大サイズ」は必ず「制限値」を選択してください。「制限なし」を選択するとシャドウ・コピーの容量で使用できる容量が逼迫されます。(※)ドライブ容量の1割を推奨します。
  6. 「スケジュール」をクリックします。
  7. スケジュールを設定します。(※)初期値では、月~金の7:00と12:00にシャドウコピーが作成されるようになっています。運用状況に合わせて設定し直して下さい。
  8. 最後に「OK」をクリックします。

これで選択したドライブのシャドウ・コピー設定が完了しました。

シャドウコピーの復元方法

次にシャドウ・コピーで取得したファイルを復元する方法です。

ファイルサーバにアクセスしているクライアント端末で実施します。

  1. ファイルサーバにあるフォルダもしくはファイルを右クリックし「プロパティ」を選択します。 
  2. 「以前のバージョン」をクリックします。
  3. 「戻したい時点のフォルダ・ファイル」をクリックし「開く」を選択します。
  4. その時点の状態でフォルダ・ファイルが開きます。
  5. これをファイルサーバやデスクトップなどに保存すればOKです。

シャドウコピーはバックアップではない

シャドウコピーとバックアップは、似ているようですが性質が全く異なります。

バックアップとは、あくまで別の記憶媒体(HDD等)に保存することを指します。

一方でシャドウコピーは、同じ記憶媒体(HDD)に世代管理として保存しているだけなので、HDDが破損したり、物理的な障害でアクセスができなくなった場合は、当然シャドウコピーにもアクセスできなくなります。

本機能については、「バックアップを取得していることを前提とした機能」として認識していただくとよいでしょう。