「防犯カメラを設置したい」と思って調べ始めたものの、種類が多すぎて何がどう違うのか分からない… と感じていませんか?

実は、防犯カメラには多くの種類があり、設置場所(屋内・屋外)や接続方法(有線・無線)、カメラの形状、録画の仕組み(SDカード・NVR・クラウド)など、選ぶうえで考えるべきポイントがいくつもあります。

目的に合わないカメラを選んでしまうと、「夜間に映らない」「Wi-Fiが不安定で映像が途切れる」「録画が保存されていなかった」など、導入後の後悔につながることもあります。

そこで本記事では、代表的な防犯カメラの種類とその違いを、初心者にも分かりやすく解説します。「何を基準に選べばいいのか知りたい」「自宅や職場にはどれが合うのか知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

防犯カメラの主な種類とそれぞれの特徴

防犯カメラには、設置場所や用途に応じてさまざまな形状と機能があります。ここでは、代表的な6種類の防犯カメラについて、それぞれの特徴と適した設置場所を紹介します。

1 ドーム型カメラ|目立ちにくく、室内設置に最適

半球状のカバーに覆われたカメラで、天井に設置するタイプが一般的。
カメラの向きが外から分かりづらく、広角で室内全体を見渡せるのが特徴です。

  • メリット:見た目がスマートで違和感が少ない/設置場所を選ばない
  • デメリット:防水性能が弱いため屋外には不向き

おすすめの用途:店舗内・オフィス・マンションの共用部など

2 バレット型カメラ|屋外向けでしっかり威嚇

筒状の形状で、「いかにも監視している」印象を与えるバレット型は、防犯効果が高い屋外設置向けの代表格です。
多くは防水・防塵性能(IP66以上)を備え、赤外線LED搭載モデルも多数。

  • メリット:存在感があるため防犯抑止力が高い/屋外対応
  • デメリット:視認性が高いため、目立ちすぎると嫌がるケースも

おすすめの用途:建物の出入り口・駐車場・外周フェンス周りなど

3 PTZカメラ|遠隔操作で広範囲を1台でカバー

「パン・チルト・ズーム(PTZ)」に対応したカメラは、スマートフォンやPCから遠隔で角度やズームを調整できます。
広いエリアの監視に適しており、動体追跡機能付きのモデルもあります。

  • メリット:1台で広範囲を監視/遠隔操作で死角を減らせる
  • デメリット:価格が高め/設置・設定に専門知識が必要

おすすめの用途:倉庫・工場・大型施設・複数出入口のある敷地など

4 ボックス型カメラ|監視性能重視の業務用モデル

長方形の箱型形状で、レンズやハウジングを自由にカスタマイズできるのが特徴です。
監視性能を重視する銀行や施設のエントランスなどで使われています。

  • メリット:レンズ交換など柔軟なカスタマイズが可能/高画質モデルが多い
  • デメリット:サイズが大きく目立つ/一般家庭ではややオーバースペック

おすすめの用途:金融機関・施設の正面監視・セキュリティエリアなど

5 小型カメラ(ピンホール)|目立たず証拠撮影にも有効

コンパクトで目立ちにくい小型カメラは、内部調査や証拠撮影など特定の目的に適しています。
取り付けは天井・壁だけでなく、什器や棚などにも可能です。

  • メリット:設置に気付かれにくい/スペースを取らない
  • デメリット:画質や録画機能に制限あり/防水性能はない

おすすめの用途:社内調査・窃盗対策・介護現場の見守りなど

6 ネットワークカメラ(IPカメラ)|クラウド管理やスマホ連携に対応

LANやWi-Fiを利用して、スマートフォン・パソコンで映像を確認できる最新型
クラウド録画やAI分析機能など、拡張性の高いモデルも増えています。

  • メリット:遠隔監視が可能/クラウド保存対応/法人導入実績が多い
  • デメリット:インターネット環境に依存/設定に慣れが必要

おすすめの用途:複数拠点管理/リアルタイム監視/テレワーク下のオフィス管理など

カメラの種類ごとの特徴を理解し、最適な1台を選ぼう

防犯カメラにはそれぞれ用途に適した設計と特性があります。

種類特徴向いている用途
ドーム型カメラ半球形で目立ちにくい/広角店舗・室内・オフィスなど
バレット型カメラ筒状で存在感あり/屋外向き駐車場・建物外周
PTZカメラパン・チルト・ズームが遠隔で可能倉庫・広い施設・工場など
ボックス型カメラ本体が大きくカスタマイズ可能銀行・施設の正面監視など
小型カメラ(ピンホール)隠しカメラ向き/非常に目立たない証拠撮影・内部監視など
ネットワークカメラ(IP)LAN/Wi-Fi接続・クラウド録画可スマホ監視・法人利用全般

「なんとなく見た目で選ぶ」のではなく、設置場所・目的・機能に合わせて最適なタイプを選ぶことで、後悔のない防犯対策を実現できます。

屋内用と屋外用の違い|設置場所によって求められる機能は大きく異なる

防犯カメラを選ぶ際にまず確認したいのが、「屋内に設置するのか、屋外に設置するのか」という点です。この違いにより、カメラに求められる性能や形状、設計が大きく異なります。

目的に合ったカメラを選ばないと、「すぐに壊れた」「映像が暗くて見えない」といったトラブルにつながるため注意が必要です。

屋外用カメラの特徴|耐久性・防水性が命

屋外は、雨風・ホコリ・直射日光・温度変化など、機器にとって過酷な環境です。そのため屋外用カメラには、次のような性能が必須となります。

◆ 防水・防塵性能(IP規格)

  • 「IP66」「IP67」などの等級が記載されているモデルを選ぶのが安心
  • 例:IP66=完全な防塵性+あらゆる方向からの水に対する耐性あり

◆ 耐候性・耐衝撃性

  • 長期間の設置を想定し、耐久性の高いハウジングや筐体が使われています
  • 台風や降雪エリアでは、さらに頑丈なモデルが必要

◆ 赤外線LED(IR)で夜間撮影に対応

  • 駐車場やエントランスなどでは、夜間・暗所でもクリアに映る機能が重要
  • IR照射距離も確認ポイント(例:20m、30m対応など)

屋内用カメラの特徴|目立ちにくさと映像の広さがカギ

一方、屋内に設置するカメラでは、防水性能よりも使いやすさ・視認性・静音性などが重視されます。

◆ デザイン性・サイズ感

  • 店舗やオフィスでは、「目立たず、違和感のない見た目」が求められる傾向
  • ドーム型カメラなどはインテリアになじみやすい設計

◆ 広角レンズで部屋全体をカバー

  • ワンルームや会議室などを1台でカバーするには水平画角90度以上のモデルが便利

◆ 静音性やLED非点灯モードなどの配慮

  • 静かな空間や来客のある場所では、「作動音なし」「赤外線LEDの光を消せる」などの機能が役立つ

まとめ|防水=屋外、静音=屋内と覚えよう

防犯カメラ選びで失敗しないためには、まず設置する「場所」と「環境」に合ったタイプを選ぶことが大切です。

比較項目屋外用カメラ屋内用カメラ
防水・防塵必須(IP66〜)基本不要
耐候・耐衝撃性必須不要
夜間対応赤外線LED搭載が主流必要に応じて選択
デザイン性無骨なものが多いスマートで目立ちにくい
静音性・光の配慮基本なし重視される

どこに・何のためにカメラを設置するのかを明確にすることで、適切なモデルを選びやすくなります。次のセクションでは、有線・無線(Wi-Fi)タイプの違いについて詳しく見ていきましょう。

有線タイプと無線(Wi-Fi)タイプの違い|安定性と設置性、どちらを重視する?

防犯カメラを選ぶ際、多くの方が迷うポイントのひとつが「有線と無線のどちらにするか?」という点です。見た目は似ていても、接続方式の違いは映像の安定性や設置工事の有無に大きく関わってきます。

ここでは、各タイプの特徴と適した活用シーンを比較しながらご紹介します。

有線タイプ|安定性と長期利用に優れるプロ仕様

有線タイプの防犯カメラは、LANケーブルで録画装置(NVR)やネットワークと直接接続されるため、映像の遅延や途切れが少なく、安定性に非常に優れています。

また、電源供給もPoE(Power over Ethernet)対応であれば、LANケーブル1本で通信+電源の両方をまかなえるのが魅力です。

メリット

  • 通信が安定しており、長時間の録画や遠隔監視に強い
  • 法人施設や広い建物でも多台数管理がしやすい
  • 電波干渉を受けにくく、セキュリティ面でも安心

デメリット

  • 配線工事が必要なため、初期設置に手間と費用がかかる
  • 建物の構造によっては、配線ルートの確保が難しいことも

向いている場所

  • 法人オフィス・店舗・工場など、安定稼働が求められる場所
  • 複数台をまとめて管理する監視システム

無線(Wi-Fi)タイプ|手軽で柔軟な設置が可能

Wi-Fiタイプのカメラは、家庭用・DIY用途で人気の高いタイプです。LAN配線が不要なため、設置工事が不要 or 最小限で済むのが大きな利点です。

近年は高性能なモデルも登場しており、クラウド録画・スマホ連携などもスムーズです。

メリット

  • 配線が少ないため、設置の自由度が高い
  • 工事不要で、引っ越し先でも再設置しやすい
  • 導入コストを抑えられる

デメリット

  • Wi-Fi環境の影響を受けやすく、映像が途切れることも
  • 距離が長い・障害物が多い環境では通信が不安定に
  • 電池式モデルの場合は定期的な充電・交換が必要

向いている場所

  • 一般家庭/マンションの玄関やリビング
  • レンタルオフィス・短期利用の拠点など

比較表でおさらい

項目有線タイプ無線タイプ(Wi-Fi)
安定性高い(通信が切れにくい)環境により不安定になることも
配線必要(LAN・電源)配線が少なく設置しやすい
導入コスト中〜高(工事費あり)低〜中(工事不要)
向いている場所建物全体・法人施設など一般家庭・DIY設置

「何を重視するか」で選ぶのが正解

  • 安定性・セキュリティ・長期間の利用を重視 → 有線タイプ
  • 手軽さ・設置自由度・初期コストを重視 → 無線タイプ

使用環境や監視の目的に応じて最適な接続方式を選ぶことで、防犯カメラの性能を最大限に引き出すことができます。

録画方式の違い|SDカード・NVR・クラウドの比較で分かる最適な選び方

防犯カメラを導入する際、「録画をどこに、どうやって保存するか」は非常に重要なポイントです。録画方式は、目的や環境によって適した方法が異なるため、しっかりと違いを理解しておく必要があります。

ここでは、代表的な3つの録画方式「SDカード録画・NVR・クラウド録画」の特徴を比較しながら解説します。

SDカード録画|簡単&低コスト。個人用途に人気

SDカード録画は、カメラ本体に直接SDカードを挿入し、映像を記録する方式です。家庭用やDIYカメラに多く採用されており、工事不要で設置も簡単です。

特徴

  • 記録媒体がカメラ本体に内蔵
  • 保存期間はSDカードの容量に依存(例:64GBで2〜4日程度)

メリット

  • 設置が簡単で、導入コストが安い
  • ネット接続不要なモデルもあり、手軽に使える

デメリット

  • 保存容量が小さく、定期的な上書きや交換が必要
  • カメラごとにSDカードが必要なため、複数台管理が煩雑
  • 盗難や破壊時に録画ごと失われるリスクあり

おすすめの用途:個人宅の玄関・室内、簡易的な防犯対策。

NVR(ネットワークレコーダー)|法人向けの本格運用に最適

NVRは、複数のネットワークカメラをLANケーブルで接続して一括録画できる専用装置です。録画映像はHDDなどの大容量ストレージに保存され、長時間・高画質の録画にも対応できます。

特徴

  • 複数のIPカメラと同時接続・同時録画が可能
  • 本体は設置場所に固定、録画映像を集中管理

メリット

  • 長期間の録画が可能(例:1TBで1週間以上)
  • 多台数のカメラ管理に対応し、遠隔操作・分割表示も可能
  • 映像のバックアップや監視センター運用にも対応可

デメリット

  • 機器代・配線工事などで初期コストが高め
  • 設定・運用にある程度のIT知識が必要

おすすめの用途:店舗・オフィス・工場・ビルなどの法人利用。

クラウド録画|スマホ監視・災害時の安全性が魅力

クラウド録画は、インターネットを通じてデータを外部サーバーに保存する方式です。スマートフォンやパソコンからいつでもどこでも録画を確認できるのが大きな特徴です。

特徴

  • 映像はクラウド上のストレージに保存される
  • 多くは月額制サービスとして提供

メリット

  • カメラが破損・盗難にあっても録画データはクラウドに残る
  • 遠隔から映像確認・通知受信が可能
  • 保存容量の拡張やAI分析など高機能なサービスも充実

デメリット

  • 通信環境に依存し、Wi-Fiが不安定だと録画が途切れることも
  • 月額料金(数百〜数千円)が継続的にかかる
  • 通信量が多いため、業務用回線を使うのが理想

おすすめの用途:複数拠点の遠隔監視、災害対策、スマホ連携重視の環境。

録画方式まとめ表

録画方式特徴メリットデメリット
SDカード録画カメラ内に保存安価・簡単容量が小さい・盗難リスク
NVR有線接続でまとめて保存長時間保存・多台数管理可初期費用が高め
クラウド録画ネット経由で保存遠隔確認・災害に強い月額費用がかかる・通信依存

まとめ|録画方式は「保存したい期間・規模・確認方法」で選ぶ

録画方式を選ぶ際は、次の3つを基準に考えると失敗が少なくなります。

  1. どれくらいの期間、映像を残したいか?
  2. カメラの台数と設置場所は?
  3. スマホで見る?PCで管理する?録画をどこで確認したいか?

用途に応じて最適な録画方式を選び、安心・安全な映像管理体制を整えましょう。

利用シーン別のおすすめカメラタイプ|設置場所と目的に応じた最適な選択を

防犯カメラを導入する際に最も重要なのは、「何のために、どこに設置するか」という視点です。カメラにはそれぞれ特性があり、目的に応じて選ぶことで効果を最大限に発揮します。

ここでは代表的な4つの利用シーン別に、最適なカメラタイプをご紹介します。

【個人宅】→ ドーム型 or Wi-Fi対応ネットワークカメラ

玄関やリビング、駐車場などを見守る個人宅には、目立ちにくく設置しやすいカメラがおすすめです。

  • ドーム型カメラは室内に自然に溶け込み、違和感なく設置できるのが魅力。
  • Wi-Fi対応ネットワークカメラは配線工事が不要で、スマホからの確認も簡単です。

ポイント

  • 家族のプライバシーに配慮し、設置場所を慎重に選ぶこと
  • 音声通話機能付きや動体検知通知付きなども便利

【屋外監視】→ バレット型 or 赤外線対応有線カメラ

建物周囲や駐車場、出入り口の監視には、耐候性・防水性に優れた屋外向けカメラが必要です。

  • バレット型カメラは抑止力が高く、遠くまで撮影できるため屋外監視に最適。
  • 赤外線LED搭載の有線カメラなら、夜間でも鮮明に映像を記録できます。

ポイント

  • IP66以上の防水性能を確認
  • 強風・日差し・雨対策のハウジング設計も重視

【店舗やオフィス】→ ドーム型・NVR録画対応

従業員の管理やお客様対応、安全確認が必要な店舗・オフィスでは、広角で目立ちにくいドーム型カメラが定番です。

  • NVR録画との組み合わせで、長時間かつ複数台の映像を一元管理可能
  • カメラの位置や画角は、レジ周辺・出入口・共用部など重点エリアに

ポイント

  • カメラの存在が従業員のモラル向上にも貢献
  • 映像を元にトラブル時の証拠や改善点の発見にも活用できる

【広範囲/遠隔操作】→ PTZカメラ+クラウド録画

広大な敷地・複数の出入口・死角が多い施設では、遠隔操作で画角を調整できるPTZカメラが最適です。

  • クラウド録画との併用で、どこからでもリアルタイムで状況を確認可能
  • ズーム機能で、細かな動きや車両・人物の特定も可能

ポイント

  • 複数拠点の一括管理や、本部からの遠隔監視に有効
  • 警備会社との連携にも活用されるケース多数

「何を守るか」「どこで使うか」でベストな1台が変わる

利用シーンおすすめカメラタイプ
個人宅ドーム型・Wi-Fi対応カメラ
屋外監視バレット型・赤外線有線カメラ
店舗・オフィスドーム型+NVR録画
広範囲・遠隔操作PTZカメラ+クラウド録画

防犯カメラの種類や録画方式だけでなく、「設置環境」「運用体制」「将来の拡張性」も踏まえて選ぶことが、満足度の高い導入のコツです。

違いを理解して、自分に合った防犯カメラを選ぼう

防犯カメラにはさまざまな種類があり、「形状(ドーム型・バレット型など)」「設置場所(屋内・屋外)」「録画方式(SD・NVR・クラウド)」「通信方式(有線・無線)」といった観点から選び方が分かれます。

大切なのは、「何を監視したいのか」「どこに設置したいのか」「どこまで管理したいのか」など、導入目的と設置環境を明確にすることです。

例えば、自宅で手軽に使いたい場合はWi-Fiカメラ、法人施設で長期間運用するならNVRと有線接続が最適など、目的に応じて選ぶことで、防犯効果・使い勝手・コスト面の満足度が大きく変わります。

とはいえ、初めての導入では不安もつきもの。

そんな時は、専門業者に相談し、現地調査を依頼するのが最も安心で確実な方法です。プロの視点から最適な機器・設置場所・工事内容を提案してもらえれば、導入後のトラブルも最小限に抑えられます。

「映るだけ」で終わらせない。あなたの目的や環境に本当に合った防犯カメラを、しっかりと選んでください。