防犯カメラを導入したいと思っても、いざ「どこに工事を依頼すればいいのか」となると迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。
「設置だけの業者と、配線までできる業者の違いが分からない」
「機器は買ったけど、LAN配線や設定ができる業者が見つからない」
「安く済ませたけど、映像が録画されていなかった…」
こんなトラブルや後悔は、“業者選びをなんとなく済ませてしまった”ことが原因で起きるケースがほとんどです。
特に、LAN配線やネットワーク設定といった技術的な要素が必要になるネットワークカメラの設置では、対応力のある専門業者を選ぶことが非常に重要になります。
本記事では、カメラの取り付けだけでなく、LAN配線・録画設定・アプリ連携などを含む工事に対応した、信頼できる防犯カメラ業者の選び方を徹底解説します。
初めての方にもわかりやすく、実際によくある失敗例やチェックポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
防犯カメラ設置に必要な工事とは?
防犯カメラの導入は、ただ「壁にカメラを取り付ける」だけでは済みません。安全かつ確実に映像を記録・監視するためには、複数の工事工程が必要になります。
ここでは、一般的な防犯カメラ設置において行われる代表的な工事内容を4つに分けて紹介します。
1カメラの取付工事(壁・天井、屋内外設置、防水処理など)
最初に行うのは、カメラ本体の物理的な設置工事です。設置場所としては、建物の外壁、天井、軒下、通路などが一般的です。
屋外に設置する場合は、風雨や直射日光にも耐えるよう**防水・防塵処理(IP66以上推奨)**を施す必要があります。また、カメラの角度や高さを適切に調整することで、死角のない監視範囲を確保できます。
注意点
- ネジ固定・アンカー処理など、しっかりとした施工が必須
- 天井裏や壁の強度確認、防水処理の有無なども確認を
2電源工事(コンセント設置、延長など)
防犯カメラは常時通電が必要なため、安定した電源の確保が重要です。近くにコンセントがない場合には、延長配線や分岐、コンセント増設工事などが必要になります。
一部のカメラはPoE対応(後述)によりLANケーブルから電力を供給することも可能ですが、
Wi-Fiカメラやアナログ機器では、AC電源が必須です。
注意点
- 電気工事士の資格が必要な作業も含まれる
- 延長コードなどで無理に対応すると安全性に問題が出ることも
3LAN配線・PoE施工(有線接続、安定通信に必須)
ネットワークカメラを安定して運用するには、LANケーブルを使った有線接続が最も信頼性が高く、トラブルが少ない方法です。
特に「PoE(Power over Ethernet)」対応機種であれば、1本のLANケーブルでデータ通信と電源供給が同時に可能となり、施工もスマートになります。
配線ルートは、天井裏や壁内部を通す場合もあり、ネットワークと電気配線の両方に精通した業者でないと対応が難しいケースもあります。
注意点
- LANケーブルの長さ・規格・敷設ルートなどの技術的な検討が必要
- 無線カメラと異なり、通信の安定性・セキュリティ面で圧倒的に優位
④ 設定作業(録画装置・スマホ連携・Wi-Fi設定など)
最後に行うのが、カメラと録画装置、ネットワークの設定作業です。
ここでは以下のような項目が対象になります。
- カメラとNVR(ネットワークビデオレコーダー)との接続・録画設定
- スマホやパソコンからの遠隔確認設定(アプリ連携)
- モーション検知や通知機能の設定
- Wi-Fi接続やIPアドレスの割当など
この作業が正しく行われていないと、「映像は映るけど録画されていない」「スマホで見られない」といったトラブルにつながります。
注意点
- 業者に「設定まで対応可能か」を事前に確認することが必須
- 特にITやネットワークに強い業者でないと不完全な設定になるリスク
業者によってできること・できないことの違いとは?
防犯カメラの設置を業者に依頼しようとしたとき、「どのタイプの業者に頼めばいいのか分からない」と感じたことはありませんか?
実は、業者の種類によって得意分野や対応できる範囲が大きく異なります。
ここでは代表的な3タイプの業者について、その強み・弱点・向いている依頼内容を比較形式でご紹介します。
業者タイプ | 強み | 弱点・注意点 |
---|---|---|
電気工事業者 | 配線や電源工事、取付施工など物理的な工事に強い | ネットワークや録画設定などIT関連は対応できないことが多い |
セキュリティ専門業者 | 防犯カメラの選定・設計・設定まで総合提案が可能/技術力が高い | 費用がやや高めになりがち/見積もり・対応のスピードは業者による |
家電量販店 | パッケージプランが多く、気軽に相談できる | 工事内容が定型的で自由度が低い/施工業者の質にバラつきがある |
電気工事業者|“設置と配線”に強いが、設定には注意
電気工事士の資格を持ち、壁や天井の穴あけ、配線、電源工事など物理的な施工力に長けているのが特徴です。
「すでに機器は用意済みで、取り付けと配線だけをお願いしたい」という方には向いています。
一方で、ネットワーク接続や録画設定、アプリ連携などのIT作業は対応外という場合もあるため、導入後の設定に不安がある方は注意が必要です。
セキュリティ専門業者|トータルで提案してくれる安心感が魅力
防犯カメラに特化した業者であれば、現地調査〜機器選定〜設置工事〜設定〜アフターサポートまでを一貫して対応可能です。
用途に合わせたカメラ機種の提案や、PoE施工・クラウド録画対応など、専門的な知見にも期待できます。
ただし、一般的な電気業者と比べて見積もり金額はやや高くなる傾向があるため、複数社からの比較検討が有効です。
家電量販店|手軽に始めたい人向けだが、自由度と品質には注意
最近では家電量販店でも「防犯カメラ+設置工事付きパッケージ」が増え、店舗で気軽に相談・申し込みできるという利便性があります。
しかし、あらかじめ決められた工事内容やカメラ機種に制限があるケースが多く、柔軟な対応や高度な施工は難しいことも。
また、設置工事を外部委託している場合、業者によって施工品質にバラつきがある点も注意が必要です。
自社にとって必要なスキルを持った業者を見極めよう
「どこに頼めばいいか」は、“誰に何をしてほしいか”によって答えが変わります。
- LAN配線や設定までお願いしたい場合:セキュリティ専門業者や、ネットワークに強い工事業者
- 機器はあるので取付だけしたい場合:電気工事業者
- とりあえず簡単に済ませたい場合:家電量販店のパッケージ
自社・自宅の状況や目的に応じて、必要なスキルと対応範囲を持つ業者かどうかを見極めることが、失敗しない業者選びの第一歩です。
良い業者を見極める5つのチェックポイント
防犯カメラの導入で後悔しないためには、「施工できる」だけでなく、「信頼して任せられる業者かどうか」を見極めることが重要です。
ここでは、失敗を防ぐために押さえておきたい5つのチェックポイントをご紹介します。
1 現地調査・ヒアリングの対応が丁寧か
★要望をしっかり聞き取ってくれるか?
良い業者は、現地調査の段階で「どこをどう映したいか」「屋内か屋外か」「録画期間はどのくらい必要か」など、細かいヒアリングを丁寧に行います。
一方的に提案するのではなく、依頼者の目的や懸念点を理解したうえで最適な設計をしてくれるかどうかがポイントです。
「とりあえずこのセットでどうですか?」といった対応をする業者には注意が必要です。
2 LAN配線やPoEなど、ネットワーク工事に対応しているか
★無線前提ではなく、安定接続の提案ができるか?
映像の安定性やセキュリティを重視する場合、LANケーブルによる有線接続やPoE方式による配線施工が理想です。
ネットワークに関する知識がある業者であれば、ルーター構成・IPアドレス設定・通信距離なども踏まえた提案をしてくれます。
逆に「Wi-Fiで何とかなりますよ」と簡単に済ませようとする業者には要注意。通信不良や録画ミスにつながるリスクがあります。
3 防犯カメラに関する実績・施工事例があるか
★写真・レビュー・対応範囲を確認
信頼性を判断するには、過去の施工事例や実績を確認することが効果的です。
以下のような情報が開示されているか確認しましょう:
- 実際の設置写真(屋外/屋内、住宅/店舗など)
- 顧客の声や口コミ
- 施工可能な地域や施設の種類(個人宅、商業施設、法人オフィスなど)
似た環境での実績があるかどうかが、安心して任せられるかどうかの目安になります。
4 機器の選定〜設定まで一貫対応できるか(ワンストップ)
★機器販売/設置工事/録画設定/スマホ連携すべてOKか?
防犯カメラの導入は、「機器を買う→工事を依頼→設定を自分で…」では非効率かつトラブルのもとです。できれば、ひとつの業者がすべてを一括で対応してくれる“ワンストップ型”を選ぶのが安心です。
- 機器の選定(目的・環境に合ったもの)
- 設置・配線工事
- 録画設定・スマホ連携・クラウド設定
一貫対応なら、費用の見通しも立てやすく、トラブル時の窓口も一本化できるため管理がラクになります。
5 保証やアフターサポートの体制は万全か
★設置後のトラブル時に迅速に対応できるか?
設置して終わりではなく、その後の運用サポートが整っているかも非常に重要です。
特に防犯カメラは「いざという時に映っていなかった…」が最も避けたい事態。
- 機器の保証期間は?
- 故障時の修理対応や再設定は可能?
- 保守契約や定期点検はあるか?
“設置後に不安が残らない”ことが、本当の意味で安心できる業者の条件です。
この5つの視点で業者をチェックすることで、価格だけに惑わされず、本当に信頼できるパートナーと出会える可能性が高まります。
業者選びでありがちな失敗例と回避法
防犯カメラの設置を業者に依頼する際、「安く済ませたい」という気持ちから業者を選んでしまい、後から後悔するケースは少なくありません。
ここでは、実際によくある失敗例を紹介しながら、どうすればそれを回避できるのかを解説します。
「価格だけで選んだら、LAN工事は別業者だった」
「設置費用が安かったから」と工事を依頼したものの、いざ現地調査をしてみると「LAN配線は別の業者に頼んでください」と言われてしまった…というケースは意外と多くあります。
ネットワークカメラではLAN配線(PoE施工含む)やネットワーク設定が不可欠ですが、業者によっては「物理的な設置のみ」「電源工事のみ」しか対応していないことがあります。
回避法
- 「LAN配線・PoE工事まで対応できますか?」と事前確認する
- ネットワークに詳しいかどうか、実績・施工内容をチェック
「機器持ち込みNGで、希望のカメラが使えなかった」
価格を抑えるためにネットで購入したカメラを取り付けてほしいと思っていたが、「当社取り扱い製品以外は設置できません」と断られたという失敗もよくあります。
特に家電量販店や一部のパッケージ業者では、持ち込み対応NGのケースがあり、結果的に再購入・再依頼が必要になり、余計な出費と手間が増えることに。
回避法
- 持ち込み機器の設置可否を見積もり前に確認
- ワンストップ型業者で、機器選定から任せるのもひとつの選択肢
「設置はできたけど、設定が不完全で録画できていなかった」
「カメラは設置してくれたけど、録画設定やスマホ連携まではしてくれなかった」
「録画されていると思っていたのに、いざ確認したら保存されていなかった」
こうした**“設置後のトラブル”**は、設定対応まで請け負ってくれない業者に依頼した際に起こりがちです。
防犯カメラは「設置するだけ」では意味がありません。正常に記録され、必要な時に確認できることが最も大切です。
回避法
- 「録画設定やスマホ連携まで対応していますか?」と確認
- 導入後の動作確認・サポート体制まで含めて業者を選定
“安さ”ではなく“できること”で選ぶのが成功のコツ
防犯カメラの設置は、見積もり金額の安さだけで判断すると、思わぬ追加費用・機能不全・二度手間という代償を払うことになりかねません。
大切なのは、「価格」よりも「その業者が自分の求める内容に対応できるかどうか」です。
必要な作業の範囲、ネットワークや設定対応の可否、アフターサポートの充実度などを基準に、“できること”で業者を選ぶことが、失敗しないカギとなります。
設置から配線・設定まで対応できる業者こそ本当に安心できる工事業者です
防犯カメラの導入は、「カメラを壁に付けるだけ」と思われがちですが、実際にはLAN配線・電源工事・ネットワーク設定・録画管理・アプリ連携など、複数の工程を含む総合的な施工です。
つまり、業者を選ぶ際には「設置できるか」ではなく、**「すべてを任せられるかどうか」**が重要な判断軸になります。
特に、ネットワークカメラやクラウド録画などの高度な機能を導入する場合は、施工技術とITスキルの両立が求められるため、一括対応(ワンストップ)で「現地調査→機器選定→配線→設置→設定→アフターサポート」までを任せられる業者に相談するのが最も確実です。
価格や見た目の安さだけにとらわれず、“できること・対応範囲・信頼性”という本質的な視点で業者を見極めることが、導入成功のカギとなります。
初めての方でも安心してスタートできるよう、まずは無料の現地調査や相談から始めてみてはいかがでしょうか。