うちは小規模な事務所だし、盗られるものなんてないから防犯カメラは必要ない。あなたはそう思っていませんか?

しかし、オフィスや事務所内で起こるトラブルの多くは、規模の大小に関係なく発生しています。

ノートパソコンや現金、印鑑、USBメモリ、顧客データといった“持ち出しやすく価値のあるもの”が揃っているからこそ、ちょっとした隙をついた内部不正や盗難が発生しやすいのです。

また、社員間のトラブルやハラスメント、外部業者との接触トラブルなど、「記録が残っていれば解決できた」ケースも後を絶ちません。

そんな中、今注目されているのが防犯カメラの設置です。

防犯カメラというと「監視」「防犯」のイメージが先行しがちですが、今では

  • トラブルの予防と抑止
  • 証拠の記録と早期解決
  • 従業員の意識向上
  • 働きやすい環境づくり

といった「業務効率化ツール」「職場改善ツール」としても活用されるようになっています。

本記事では、事務所やオフィスに防犯カメラを設置する理由から、導入のメリット、具体的な設置場所や機能の選び方までを、初めての方にもわかりやすく解説していきます。

「まだ必要ないかも…」と思っている方こそ、ぜひ最後までお読みください。“備えるオフィス”は、信頼されるオフィスへとつながっていきます。

目次

事務所で起こりうるリスクとトラブルとは何か??

事務所で起こりうるリスクとトラブルとは

一見、安全そうに見えるオフィス空間にも、実はさまざまなリスクが潜んでいます。

特に従業員の出入りが自由で、外部の来客もある職場では、日常の中で「見えないトラブル」が起きていても不思議ではありません。

ここでは、事務所において実際に起こりうる代表的なリスクと、それに対して防犯カメラが果たすべき役割について確認していきます。

ノートPCや現金など物品の盗難

オフィス内では、業務用のノートパソコンやタブレット、名刺、文具、さらには現金・印鑑などを保管していることも多くあります。特に、デジタルデバイスは、小型かつ高価値であるため、盗難対象になりやすいです。

内部の人間による犯行も少なくなく、「誰がいつ持ち出したのか分からない」というケースが多発します。

防犯カメラが設置されていれば、出入口や保管場所へのアクセス状況を記録でき、不正の抑止や証拠確保につながります。


機密情報の持ち出しや社外漏洩

USBメモリやノートPCの持ち出しによる情報漏洩リスクも、企業にとって致命的な問題です。

顧客リストや取引情報、設計図、社内資料など、デジタル・紙問わずあらゆる情報が持ち出しの対象になりえます。

防犯カメラによって「いつ・誰が・何を持ち出したか」を映像で把握できる環境を整えておくことで、情報漏洩のリスクを大幅に軽減できます。


従業員間のトラブル・ハラスメント

近年、社内でのパワハラ・モラハラ問題が顕在化しています。

「言った」「言っていない」「聞こえた」「暴言を吐かれた」など、証拠のない状況では事実確認が難しく、対応が後手に回ることも少なくありません。

音声録音機能付きの防犯カメラで会議室や共用スペースでの会話ややりとりを記録しておけば、トラブル発生時の公平な検証が可能になり、職場環境の改善・予防策の検討にもつながります。


外部からの不審者侵入・備品の持ち出し

来客を装った不審者の侵入や、清掃業者など外部委託者による備品の持ち出しといった外部からのリスクも油断できません。

特に入口にスタッフが常駐していない時間帯や、出入りが自由なビルでのテナント事務所ではこうした事案が起きやすいです。

防犯カメラをエントランスや通用口に設置することで、外部の入退室履歴を可視化し、不審者への早期対応や、トラブル後の事実確認がスムーズになります。


これらを“見える化”するための防犯カメラの役割が重要に

防犯カメラは、これらのリスクを「見張る」ためだけのものではありません。

“見える化”によって、抑止・記録・証明という3つの機能を発揮し、オフィスの安全性と信頼性を高める役割を果たします。

社員も来訪者も、“見られている”という適度な緊張感がある環境の中で、自然とモラルと注意意識が向上し、結果的にトラブルの発生率を大幅に減らすことができるのです。

防犯カメラが事務所内に与える効果とは?

防犯カメラが事務所内に与える効果とは?

事務所に防犯カメラを設置することで得られるメリットは、防犯だけにとどまりません。

オフィス環境の透明性を高め、トラブルを未然に防ぎ、職場全体の意識改善を促すなど、多方面での効果が期待できます。

ここでは、事務所における代表的な効果を4つに分けてご紹介します。

「見られている」環境による犯罪抑止・マナー改善

カメラがあるだけで、「見られているかもしれない」という意識が働きます。この心理的効果によって、内部不正や盗難、備品の無断使用などの抑止力が向上します。

また、従業員同士の接し方や、私物の整理、清掃マナーなどにも影響があり、全体的なオフィスマナーが自然と改善される傾向があります。

関連記事:見られる意識がマナーを変える〜防犯カメラ導入による施設利用者のモラル向上効果〜

映像証拠によりトラブル対応がスムーズに

社内トラブルやクレーム、来訪者との応対ミスなどが起きた際、「誰が・いつ・何をしたか」を客観的に確認できる記録があることは非常に重要です。

防犯カメラによる録画映像があることで、

  • 対応の正当性の証明
  • トラブル当事者の明確化
  • 第三者的な視点での社内検証

が可能となり、感情論に左右されない公平な解決が図れます。

従業員の意識向上・セキュリティ意識の定着

カメラの存在は、従業員の意識改革にも効果的です。

「自分の行動が見られている」という状況は、自然と業務への集中力や、正確な作業意識の向上につながります。

また、セキュリティ意識も高まり、「情報を漏らしてはいけない」「不正を見逃さない」といった社内文化の醸成にもつながります。

勤怠・出退勤の補助ツールとしても活用可能

防犯カメラの映像は、従業員の出退勤状況やオフィスの出入りを補完的に記録することができます。

  • 打刻忘れの確認
  • 時差出勤や外回りからの戻り時間の把握
  • 無断早退・遅刻などの実態確認

など、タイムカードやIC認証だけでは補いきれない部分を映像で裏付けるツールとして活用する企業も増えています。

このように、防犯カメラは「トラブル対応」だけでなく、組織の健全性や業務効率を高める装置として、オフィス環境の質を大きく向上させる効果があります。

事務所内の設置場所と防犯カメラの活用シーン

事務所内の設置場所と防犯カメラの活用シーン

事務所内で防犯カメラを効果的に活用するには、「どこに設置するか」が非常に重要です。

ただ漠然と設置するのではなく、目的に応じて適切な場所を選ぶことで、犯罪抑止・証拠確保・業務効率の向上が実現します。

ここでは、特に効果的な4つの設置ポイントと、それぞれの活用シーンを解説します。

入口・通用口(外部からの侵入対策)

最も基本的な防犯対策として、オフィスの出入口や通用口へのカメラ設置は必須です。外部からの不審者の侵入や、夜間・休日の不正侵入を記録するための「第一の防衛線」となります。

  • 不審者の顔や服装、時間帯の特定
  • 外部業者の出入り管理
  • 鍵の閉め忘れチェックや深夜の侵入抑止

など、建物全体の安全性を高める基盤となる場所です。

会議室・応接室(機密保持/トラブル防止)

外部来訪者と接触する機会が多い会議室や応接室では、録音・録画によるトラブル防止が効果的です。
また、情報漏洩の防止や接客対応の質の向上にも役立ちます。

  • 商談内容の不当なねじ曲げ防止
  • 暴言・不適切発言の抑止
  • 取引先との交渉記録や証拠保全

万が一のクレーム時にも、事実確認に役立つ映像が心強い証拠となります。

執務室の出入口周辺(行動ログ・備品管理)

執務室の入り口や出口にカメラを設置することで、誰がいつ入退室したかを記録できます。

特に社内の重要な備品や機密資料が出入りする場面では、記録を残すことが安心感につながります。

  • ノートPC・USBなどの持ち出しチェック
  • 書類の入れ替え・回収状況の確認
  • 急な不在や無断退室の確認

個人のプライバシーに配慮しつつも、オフィスのセキュリティ意識を高めるための象徴的な役割を果たします。

■ 倉庫・資料室(物品持ち出し・不正アクセス対策)

倉庫や資料室など、普段目が届きにくいスペースも、防犯カメラ設置が有効です。特に、重要な文書や製品、在庫管理に関わる空間では、記録があることで安心感が格段に増します。

  • 在庫管理や誤出荷のチェック
  • 貴重品・保管書類の盗難抑止
  • 許可のない立ち入りの監視

限定されたスタッフだけが入室できる場所であるほど、“見える管理”の有無がセキュリティレベルに直結します。

これらの設置場所は、いずれも「トラブルの起こりやすいポイント」でもあります。トラブルを回避するためにも防犯カメラを設置することで、見える化・抑止・証拠保全のすべてが機能するのです。

オフィス向けに防犯カメラに必要な機能とは?

オフィス向けに防犯カメラに必要な機能とは?

事務所やオフィスに防犯カメラを設置する際は、家庭用や店舗用とは異なる“業務環境に適した機能”を備えているかどうかが重要です。

カメラを選定する際には、単なる「監視」だけでなく、証拠保全・マネジメント・従業員の安心感向上までを視野に入れて選定しましょう。

ここでは、オフィス環境に特化したおすすめの防犯カメラ機能を5つ紹介します。


高画質(HD~4K)+広角レンズ

オフィス内の会議室や出入口などで発生する細かなトラブルに対応するには、高解像度の映像が不可欠です。

特に、顔の表情や手元の動き、名刺のやり取りなどを明瞭に映す必要がある場合は、HD〜4K画質が推奨されます。

また、広角レンズ付きモデルであれば、会議室全体や執務エリアの広範囲を1台でカバーでき、カメラの設置台数を減らすことも可能です。


音声記録(会話の記録/パワハラ・クレーム対策)

会話内容の録音は、クレーム対応やハラスメント防止に大きな効果を発揮します。

  • 「言った・言わない」のトラブル防止
  • 接客・応対の品質チェック
  • 社内トラブル時の客観的な記録

特に、パワハラやセクハラなどの内部問題対策として、音声記録機能付きのカメラは非常に有効です。

これらのトラブルは、正確な記録がないと雇用主側にとって不利な結果になるケースが多いと言われています。仮に、雇用主側の言い分が受け入れられたとしても、その対応に追われる時間などを考慮すると、大きな損失になることは言うまでもありません。


スマホ・PCでのリモート閲覧

出張中の経営者や離れた場所にいる管理職にとって、「いつでもどこでもカメラ映像を確認できる」機能は必須です。

  • スマートフォンやPCからのライブ映像の確認
  • 過去映像の再生・ダウンロード
  • 異常検知時のリアルタイム通知機能

これにより、事務所にいなくても常に状況を把握し、必要な指示を即座に出せる環境が整います。


AI人物検知・入退室ログ連携

近年は、AIを搭載したスマート防犯カメラの導入も進んでいます。

AIによって「人の動き」や「顔の識別」が可能になり、特定エリアへの不審者侵入や長時間の滞在などを自動検出できます。

さらに、入退室管理システムと連携すれば、映像と時間ログを紐付けて記録可能です。AI機能搭載カメラは、セキュリティレベルを高めながら、勤怠管理の補助にも活用できます。

関連記事:防犯カメラにAI搭載で何ができる?機能・メリット・活用法をわかりやすく解説!


録画方式(NVR/クラウド録画/SDカード)

映像の保存方式も、オフィス環境に合わせて選択すべきポイントです。映像の保存方式は大きく分けて3つに分類されます。

  • NVR(ネットワークビデオレコーダー):複数台のカメラを一括録画・管理可能。大規模オフィス向き。
  • クラウド録画:映像データをクラウドに保存。災害・盗難リスクへの備えになる。
  • SDカード録画:小規模オフィスや設置工事が困難な場所に手軽に導入可能。

一般的に、オフィスではNVR形式を導入される会社が多いとされています。導入する際には、セキュリティポリシーやオフィスの規模に応じて、最適な録画方法を選ぶようにしましょう。

防犯カメラの機能選定は、“安心”と“業務効率”を両立させる第一歩です。

“備え”はセキュリティだけでなく、組織運営そのものを守る

防犯カメラは組織運営そのものを守る

防犯カメラの役割は、単に犯罪を防ぐことだけにとどまりません。

「見られている」という環境をつくることによって、社内外のトラブルを未然に防ぎ、従業員の意識を変え、企業全体の信頼性を高めることができるのです。

盗難や情報漏洩、内部不正といったリスクに備えるだけでなく、働く環境そのものの健全性を可視化するツールとして、防犯カメラは今や“オフィスのインフラ”の一部と言えます。

「まだトラブルは起きていないから…」ではなく、“起きてからでは遅い”という意識が重要です。

まずは、出入口に1台から。シンプルなカメラ設置から始めてみることで、職場の安心感や業務効率に大きな変化が現れます。

導入に不安がある場合は、無料相談や現地調査を行っている業者に依頼するのがスムーズです。

オフィスの規模や用途に合った最適な提案が受けられ、設置から運用まで安心して任せることができます。

“安心できる職場環境”をつくることが、組織の未来を守る第一歩です。今こそ、防犯カメラという身近なテクノロジーを、あなたの事務所に活用してみませんか?